• 3月5日金曜日午前に、倉敷市役所10階大会議室にて、今年度の相談支援ファイル実施者養成講座のフォローアップ研修を行いました。

  • 「相談支援ファイル(かがやき手帳)」とは、何か⇒倉敷市の「かがやき手帳」は、幼児から成人期に至るまで一貫した支援を実現するための情報共有ツールです。基本的には保護者が保管し記録します。書き方は自由なのですが倉敷では、ペアレント・サポートすてっぷが開発した書き方を広めており、基本的な書き方は、半年に1度記録、子どものエピソード(課題・成長)を端的に記録していくというもの。積み上げることで子どもの姿への気づきにつながります。記録の価値もですが、何よりもこの記録をつける『かがやき手帳を書く会』を実施したときに、支援者と保護者が共に子どものことでコミュニケーションを取りながら和気あいあいと記録を完成させていく…その機会を持つことに価値があります。

 

  • 「相談支援ファイル実施者養成講座」とは、何か?⇒もともとは倉敷市オフィシャルの相談支援ファイル「かがやき手帳」を広く多くの保護者の方に活用していただけるようにするために、私たちの法人が直接レクチャーして、私たちが独自に考案した「かがやき手帳の書き方」指導をさせていただいていました。しかし直接レクチャーだけですと、マンパワー的にも広げていくのに限界があります。そこで、レクチャーの方法を支援者の方にも身に着けていただくことによって児童発達支援や放デイの事業所さん、子育て支援の拠点や保育園、幼稚園、学校単位で、「(相談支援ファイルを)書く会」を開催していただければ、もっと多くの保護者の方が相談支援ファイルを活用していただけるよになるだろうと計画したものです。最初の2年間はトヨタ財団様の助成を得て実施し、今年度からは「相談支援ファイル実施者養成講座」として行政委託していただき、広く高梁川流域の市町村の皆さんにも受講していただけるようになりました。

 

  • フォローアップ研修は、1年に1回、これまでの受講生を対象に、現場で『書く会』を実施するときの好事例の発表を共有し、グループディスカッションすることで、現場での運用の困りごとなども共有しようという企画です。

 

  • 3月5日のフォローアップ研修では、1期から直近の5期までの受講生の方17名が出席し、オブザーブ参加が2名、市から2名、法人から3名、加えて今回は、長年「かがやき手帳」を書き続けている保護者の方2名に参加してもらい、合計26名で開催しました。

 

  • まず理事長の安藤からのあいさつの後、2事業所から、それぞれ自分の事業所で開催した時の工夫について発表。
  • いずれも好事例なので、オリジナルな工夫がとても興味深く、他の参加者の皆さんも参考になった様子です。
  • 引き続いて、特別ゲストで来てくださった保護者の方の発表。OさんとHさんは、それぞれ4年間と6年間、「かがやき手帳」を書き続けていてくれるお二人が、経験についてお話してくれました。例えば、最初のうちはなんでもかんでも子どものエピソードを書いてしまっていたが「読み手を意識して」というアドバイスをもらい、最近では「これはいらないか」と淘汰して、必要な情報を端的に記録することができるようになったこと。読み返すと、子どもの成長もだが自分自身の親としての成長も感じられること。学校に上がったら放デイ等色々なところに関わってもらうようになったので、それぞれのところに手帳のコピーを渡して、情報を伝達していること、など。
  • 実際に長く書き続けている保護者さんの経験談は、支援者の皆さんにも響いた様子でした。

 

  • 休憩のあと、後半はグループディスカッション。
  • 法人も立場もそれぞれなのですが、それを越えて、保護者のために会を開催することへの工夫や悩みを持ち寄り、話し合いました。その中で、保育園の先生が参加してくださっていたのですが、事例発表してくださった2人のうりのお一人が自分の教え子だった!というビックリエピソードを披露(笑)保育園では「障害のある子向け」などとくくるのが難しいためどうしたら『書く会』を開催できるか悩み続けていたが、事業所に勤める教え子に再会できたことをきっかけに、福祉サービス事業所と保育園で協力し合うことでの地区での『書く会』の開催の方法が見えてきた!と嬉しそうにお話くださいました。
  • 福祉関係者が同じ取り組みを立場を超えてやれる機会って実は、あまりないことなのです。みんなが自由闊達に意見を出し合いながら、そんな協力の仕方を模索して行っている姿には、私たち法人スタッフもとても励まされました。

 

  • この取り組みに関心を持っていただき、新年度も是非、多くの方に受講していただきたいと思っています。関心のある方は是非、法人にお問い合わせください。このHPのお問い合わせフォームからどうぞ。
  • 【理事長・安藤からのあいさつ】
  • 自事業所で『書く会』を開催した時の工夫を話してくれる発表者
  • 【保護者とのパネルディスカッション】
  • 【グループディスカッションの様子。法人の壁や立場を超えて話し合います】