12月15日(日)に実施した被災地支援チャリティ・イベントに関する報告です。

Facebookイベント→https://www.facebook.com/events/430723694305163/

このイベントはもともと、被災地支援に携わる人の慰労イベントとして2018年11月に日本郵便の年賀寄附金配分に助成申請したものです。つまり1年以上前に、被災地支援のイベントについて企画し、申請したもの、ということです。

1年前と今は、まったく状況が違います。1年前は、真備が発災してからまだ4カ月の時点でした。そして今年は、年度の途中に次々と災害が起き、今度は東日本が広域で被災することとなりました。

そういうわけで、このイベントは最初はあくまで支援者の慰労イベントであり、「チャリティ・イベント」と銘打ってはいなかったのですが、このような今年の日本の災害状況を鑑みて、計画を修正し、openなイベントとして、支援者の慰労はもちろんですが、被災地へお金を送ることを目的の一つとし、開催いたしました。

このように、災害というのはいつ、どの程度の規模で起きるかもわからず、そして既に起きた災害の被災地では、復興のフェーズも刻々と移り変わっていきます。4月からなるべくこまめに真備での災害支援ネットワーク会議にも足を運び、真備で法人のイベントを月2回ずつ実施し、私たちは被災地の空気を感じ取るようにしてきたのですが、それでもこの手のイベントは難しい、と改めて思いました。

というのは、被災地の復興の空気を感じ取るだけではダメで、「世間」の空気を感じ取らないといけないからです。ほとんどのイベントやフォーラムの類は、うちと同じように1年前から企画しているでしょうから、今もあちこちで、災害をテーマにした集まりが行われていますが、前々から企画されたものは急速に移り変わる空気にはついていけていません。

今、岡山では、「災害」「被災」「防災」を正面に持ってくるとなかなか、関係者以外の一般の人は集まらない、そういう空気になってきていると思います。これらの言葉に、人々が食傷ぎみなのでしょうか。人が災害について忘れて行くこと自体は止めようがありませんが、何かの節目を設けて、思い出し、考えるというのも必要ではないかと思います。

私たちは障がい児の保護者です。障がい児のいる家庭は、避難所に入りにくいため、災害弱者ということになります。毎年災害が起きるのが当たり前になってしまった今の日本で、いつ何時、次は自分が被災するかわからない。自分ではなかったとしても、日本の各地で、障がい児のいる家庭が困難にあっているわけです。

どうしたらその困難を少しでも減らせるのか。これは、私たちのような当事者が考えるだけでなく、やはりその道の専門家や支援者の人たちと共に考えて行く必要があると思います。垣根を越えて手を結んでいくことが、「減災」につながるのではないでしょうか。

以下に、既にFacebookに出したものと重なりますが、当日の写真と実績の報告をいたします。寄付金額はまだ確定していませんので、ひとつひとつ確定させ、また後日報告していきます。

(以下、12月16日の法人Facebookの記事から抜粋)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

参加した方に、とてもいい集まりだったと言っていただけました。
何より三人の発表者の方(市役所大橋さん、まびシェア大塚さん、そ~る訪問看護ステーション片岡さん)のお話をまとめて聞く機会をいただけたのが、何よりありがたく、このお話を聞けて本当に良かったと心から思いました。

大橋さんの福島県いわき市の報告からは、大規模でありながらまったく復旧の進んでいない状況、それでも「昨年お世話になったお礼に」と各地から駆け付ける公や民の支援者の皆さんの様子をお聞きしました。やはり経験者が一番、大変さがわかるので、災害の多い昨今、こうした助け合いの大切さを想いました。

大塚さんはご自身がボランティアとして長野市津野に入った時の様子、女性でもボランティアができる、まずは現場に行ってみることが大事で、そこに行けば感じるものが必ずあるということ等をお話しいただきました。大塚さんはご自身が真備で被災されているので、当時の状況と重なる現地の方々の様子を話すときに時折涙を浮かべながら、それでも報告してくださって、本当に感謝いたします。

真備の片岡さんのご報告は本当に、様々に考えさせられました。トラウマと支援者との関係「環状島モデル」、あなたはどの位置にいますか?考えてみてくださいとの片岡さんの問い。輪になった島には内海と外海があり、被災者は内海に落ちている。それ以外の人は外海に。山を登ろうとする支援者は、斜面の途中にいるのか、頂上に上って人から攻撃されるのか、あるいは巻き込まれて被災者とともに内海に落ちてしまうのか…。梅雨時にイライラが募る話や、最近ようやく眠れるようになったというご自身のこと、4300人以上の真備の被災者が家に帰れていない現実…「生活はもう二度と元に戻らない」との言葉。

私たちは、本当は、忘れてはいけないのです。こんな身近であったことを。でも人って、悪気はないのに忘れていきますよね。もし忘れないようにと常に悲惨なことに目を向け続けると、心が壊れてしまうから。心を守るためにも、辛いこと苦しいこと悲しことから目をそらそうとするのが人間です。

だから、ずっと悲惨なことを考えていろ、というわけではないのです。でも、折に触れて思い出すことが大事ではないでしょうか。そして、思い出す機会は、意図して作らないと、自主的に思い出すということは、無理なのではないでしょうか。自分たちは今後、何ができるだろう、多くの人が今この瞬間にも真備はじめ日本の各地で苦しんでいることに対して、たとえ小さくても、何かし続けなければと、三人の方の発表を聞いてつくづくと思いました。来場者の方皆さんも色々と感じてくださった様子で、福島・長野・真備それぞれすべてにお金を入れてくださる方も多かったです。

忙しい年の瀬に、わざわざ発表に来てくださった皆さん、本当にありがとうございました。そして聞きに来て下った皆さんも本当に、ありがとうございました。お買い物もしてくださり、ありがとうございます。

最後に、オープニングとエンディングで、イベントを盛り上げてくださった名古屋のバンド「KURATA BAND Special Sextet」の皆さんにも心より、感謝いたします。面白い東北弁講座や、バンドの皆さんの被災に関する体験談等もお話くださり、最後に「バンドから」と、たくさんの寄付も贈ってくださいました。演奏は「こんなの聞いたことがない」「初めてのjazzライブでした、感動しました!」と参加者が言われるほどハイレベルでラスト1時間はあっという間。皆さん音楽の世界に浸っていました。

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≪イベント実績報告≫

入場料合計51,500円(一般大人14人、小学生3人、未就学児1人、真備町で被災大人4人、被災小学生2人、支援団体関係者2人、真備町で被災+支援団体関係者4人)

寄付箱金額集計 真備町11,310円 長野市9,450円 いわき市9,410円 うちの法人への寄付 11,841円

その他、物販の売上があるのですが、まだ売れ残りを買っていただいている途中なので確定していません。だいたい、現時点で、3万円以上あります。これらを、うちの法人あて寄付金と、物品仕入代金を除き、真備町、長野、福島の団体さんへ分配し、寄付していきます。

寄付したら随時、ご報告いたします。

防災・減災の取り組みを一部のマニアックな人たちの活動、みたいにしてしまわないには、どうしたら良いのか。今後の課題です。